「何か漠然とした不安を感じる」
「このままでいいのか、焦る」
ふと、感じたことはありませんか?
私は、自分自身に対してよくこのように感じてしまいます。
そんな不安の種を根本からズボッと抜き取り、正体を明らかにしてくれた本がありますので、今日はそれを紹介しますね。
『苦しかったときの話をしようか』
著:森岡 毅
本書は就職活動を控え、将来に悩む(著者である森岡 毅さんの)ご息女に宛てた文書(虎の巻)ですが、内容は「働くこと」ひいては「生き方」の本質を鋭い切り口で語ってくれており、読んでいて胸がカッと熱くなるのを感じました!
「自分の娘に向けて書いている」ということもあって、内容が濃く、文量も豊富です。
そのため、読むのに少々時間がかかってしまいます・・・。
しかし読み終わったあと、きっとあなたも「『自分自身』の強み・弱みを受け入れよう!」という気持ちになりますよ。
そして、社会で「自分」をどう活かしていくかが少しずつ見えてくるはずです。
学生から大人まで、あらゆる年代に刺さる「生き方」の本質
「成功は、必ず“強み”から生まれる」
本書は一貫してこれを主張してくれています。
(テレビなどのメディア出演されている際も、著者:森岡 毅さんはこのことをおっしゃっていました)
正直、この本を読んだキッカケは「『USJをV字回復させた敏腕マーケター森岡 毅さん』のベストセラーは一体どんなもんなんだ?」というシンプルな興味でした。
ただ、読後「成功は、必ず“強み”から生まれる」という言葉はより一層厚みを増し、私自身深く理解できました。
そして、自分に対して少しだけ自信を持つこともできたのです。
“強み”を生かすために知っておくべきこと3つ
本書を読んで私は、「“強み”を生かすため」に次の3つを知ることが重要だと感じました。
- 競争相手は自己保存の本能
- 資本主義社会は上位が下位を拘束
- 「努力できる好きなこと」をつづける
ひとつひとつ書いていきますね。
①競争相手は自己保存の本能
あなたの競争相手はだれですか?
優秀な同期、憧れの先輩、強力なライバル・・・さまざまかと思いますが、これらは全て他人です。
「“強み”を伸ばし続ける」うえで、一番の脅威は他人ではなく「自己保存の本能」であることを、本書では教えてくれました。
自己保存の本能とは、「楽で安心安全な方向へ行きたがる心理」を指します。
つまり、「今生きているなら、わざわざリスクを冒してまで挑戦しなくてもいいよね」という自分のマインドが一番の競争相手ということです。
(「コンフォートゾーンを抜け出そう!」ということを聞いたことがあるかと思いますが、同じ話です)
比較すべきは「優秀な他人」ではなく「昨日の自分」であり、
昨日よりも今日の自分が、一体何を学んで、どう賢くなったのかを問える君であり続けて欲しい。
『苦しかったときの話をしようか』第4章より引用
すごく刺さったので、そのまま引用させていただきました。
そして、
枯れないで歩き続けさえすれば、自然の摂理どおりにいずれ芽は出てくるということだ。
『苦しかったときの話をしようか』第5章より引用
という力強いメッセージに、とても元気をもらいました。
さらに、
チャレンジによって起こる変化が大きいほど不安は大きくなる。
『苦しかったときの話をしようか』第6章より引用
つまり、不安とは、本能を克服して挑戦している君の勇敢さが鳴らしている進軍ラッパのようなものだ。
という言葉のおかげで、私自身の冒頭の感情がストンっと腹落ちしました。
②資本主義社会は上位が下位を拘束
そもそも人間は平等ではない
それは生まれつきの遺伝子による知力の違いなど、異次元的にどうしようもない残酷な格差が存在するからです。そして、
私たちが生きる「資本主義社会」も同じく平等ではない
資本主義社会は無知・愚かに罰金を科すようにできています。
分かりやすいところでいうと税率です。
「サラリーマンの所得にかかる最高税率は50%以上であるのに対し、資本家の株式配当にかかる税は20%」
資本家のために都合よく構造が作られていますよね。
また、日本の教育システムはどうでしょう。
「社会で生き抜く力をつけてほしい」と真に願うフェアな教育であれば、資本主義社会の実態や資本家の視点、お金についての授業があってもいいと感じませんか?
しかし、私たち(少なくとも私)はその教育カリキュラムはありませんでした。
つまり、そういった資本主義社会の本質を意図的に知らせずに、大量の無知なサラリーマン(労働力)を生産し、密かに罰金を科すようにできているのだと解釈することができます。
(真実はわかりませんが・・・)
どんな物事にも本質がある。その本質によって構造が決まり、その構造に従って複雑にさまざまな現象が生まれてくる。
『苦しかったときの話をしようか』第2章より引用
「本質→構造→現象」の順に上位が下位を拘束している。
資本主義社会の本質は、人間の「欲」です。
それにより人々を競争させ、社会を発展させる構造を持ちます。
その結果、不平等という現象が発生するのです。
頭の中にない選択肢は選べない(気づきもしない)
だからこそ、現実を生み出している“構造”、その先にある“本質”を明らかにすることが大切であるということを学びました。
③「努力できる好きなこと」をつづける
「好きでもないこと」を生涯続けられますか?
私は正直嫌です。(たぶん挫折しちゃいます・・・)
では、「本当に好きなこと」を続けることはできそうですか?
これなら「できる」というより、「やりたい!」という感情が湧いてきそうですよね。
「本当に好きなことであれば、人間は努力を重ねることができる」
そして、
この社会で結果を残す優秀なプロと呼ばれる人々は、もれなく「その道で努力を積み重ねることができた人」であって、
『苦しかったときの話をしようか』おわりに より引用
その正体は「努力できる好きなこと」を見つけられた“発見の成功者”なのだ。
この言葉で、「私の中にも、プロになる覚悟と勇気を養う“構造”をつくろう!」という、胸がカッ!と熱くなる感情を抱きました。
キャリア戦略という名の胸が熱くなるフレームワーク
「成功は、必ず“強み”から生まれる」
先述のとおり、本書は一貫してこれを主張してくれていました。
その太い骨子に対し、これでもかというくらい上質な肉付けがされた内容でしたので、言葉の一つひとつがドシンっと腹落ちしていく感覚を味わいました。
しっかり腹落ちすると、不思議と自分の中にあるネガティブも受け入れることができて、自然と勇気も湧いてくるものなんですね。
「あなた」の強み・弱みは何ですか?
忙しい毎日を送る私たち現代人ですが、一度手を止めて自分自身を見つめる機会をつくり、自分の人生を考えるのはとても大切なことです。
本書では強みを見つけ、活かすフレームワーク「T・C・Lの仕分け」「My Brand」も載っておりますので、ご興味あれば是非一度この本を手に取って、ご活用いただければと思います。
残酷な資本主義社会を生き抜くためにも、まずは「自分(の強み)」を理解するところから始めてみませんか?
今日ご紹介したのはこちら。
『苦しかったときの話をしようか』
著:森岡 毅
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